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 ■観光業界人インタビュー 第2443号≪2007年11月3日(土)発行≫掲載
VJC本部との統合で
市場別組織へと再編を

独立行政法人国際観光振興機構(JNTO)
理事長
間宮忠敏氏


──前職は日本郵船特別顧問。畑違いからの就任で戸惑いもあったと思いますが、半年経っての感想は?
「観光との縁はほとんどなく、今回の人事はサプライズだった。私自身、観光は物見遊山という程度の認識だったが、10年に訪日外客1千万人を達成した時点で、インバウンドの生産波及効果が6兆円に迫るという試算などを見ると、産業としての大きさを改めて感じている。観光産業の重要性をもっと国民にPRしていくつもりだ」

──その中で、JNTOの果たす役割は。
「1つは、日本という観光商品をいかに国際競争の中で売り込むか。そのためのセールスマーケティングや支援活動に力を尽くす。もう1つは海外での誘致活動から訪日観光客の日本に対する印象・満足度調査まで、観光振興の工程すべてをアッセンブルするということ」

──政府は今年の訪日外客の目標数を800万人としていますが。
「1〜8月までの数字は非常にいい。伸び率は前年同期比13%増となっている。アジアが好調だが、仏も伸びている。米国はやや伸び悩んでいるが、後半に期待したい。目標達成は十分可能だ」

──今年度は第1次中期計画の最後の年となるが、次の、新中期計画の策定作業は進んでいますか。
「まず、外客誘致の現場である海外事務所13カ所に経営資源(予算、人など)を注ぎ、中身を充実させたい。また、VJCの推進体制についてはもっと合理化できる余地があり、VJC実施本部事務局をJNTOに統合する方針が国土交通省から出されている。新中期計画の大きな目玉となるだろう。JNTO組織も、機能別横割りから市場別へと再編する」

「VJC本部との統合時期は来年度早々と了解している」

──独立行政法人に対する風当たりも強い。統合して新形態になった際、位置付けはどうなるのでしょう。
「観光立国推進基本計画の中で、JNTOは政府観光局であることが明記されている一方で、独法整理合理化の対象となっている。矛盾はないだろうか。独法整理化の切り口だけで議論するのではなく、国策としての観光立国推進体制はどうあるべきかという長期的な観点で、幅広い人たちの意見を聞き議論してほしい。このままでは職員のモチベーションも上がらない」

──観光庁創設が焦点となっています。
「観光庁創設は国策として観光立国を実現するという強い意思の表れ。観光の裾野は広く、対外的にも、国内関係者との調整にも、観光庁の早期の創設を期待したい。一方で、JNTOとの線引きを明確にしないといけないだろう。観光庁は国の基本的な観光戦略を担い、その政策の実現のための実行部隊となるのがJNTOだ」

──11月20日から「改正入管法」が実施される。入国外国人に対して指紋採取と顔写真を撮るが、反発も出てくると思う。訪日外客に与える影響をどう見ていますか。
「懸念材料の1つだ。世界でも現在は米国ぐらいで、日本が導入する際にはよほどの準備と注意が必要だ。特に外国人用の入管ブースが狭い空港では、時間がかかるという訪日外客からの批判もあるだけに、混乱しないか心配だ」

「JNTOでは海外事務所を通して、外国の旅行会社に説明するとともに、実際に現場でどういったことが起こるのか、フォローして当局に情報をいち早く伝える役割を果たしたい」

──10年はもうすぐです。1千万人は大丈夫でしょうか。
「10年まで残すところあと4年だが、人の動きに影響を与える政治的・社会的なハプニングは予測不可能であり、また、誘客活動を行ってから実際の成果につながるまでタイムラグもある。その意味では08年が勝負だと思う。楽観視しないで勢いをつけたい」

──地方に外客がたくさん来て、地元と交流を深め、活性化につながれば本当の意味で観光立国になるのでは。
「地方自治体も外客受け入れに力を入れているので、もっと地方との連携を深めたい。理事長以下地方を訪問して、いろんな提案をしていくつもりだ。こここにきて訪日外客の地方分散化の傾向も見られるので、地方の持つ魅力をさらに発信し、受け入れ態勢を充実させるなどして、この流れを大きくしていきたい」


【聞き手・内井高弘】
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