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観光行政 ■第2573号《2010年8月14日(土)発行》
休暇分散化実施で「宿泊旅行に行く」は12%に
観光庁と経済産業省はこのほど、休暇取得の分散化に関する意識調査や意見募集の結果を公表した。インターネット上に窓口を設ける手法で実施。政府が検討する春と秋の大型連休の分散化が実施された場合、国内宿泊旅行に出かけると回答した割合は全体の12%にとどまり、実際には休めない場合を含めて「仕事をする」、または「家で過ごす」との回答が約半数を占めた。旅行環境にとどまらず全般を含めて分散化のメリットを聞くと、「特にない」が約7割に上った。
6月22日〜7月12日の期間に3278人が質問に答えたり、意見を書き込んだりした。回答者の構成は男性7割、女性3割。年齢層は20〜40歳代で9割。職業別は情報通信業、製造業、サービス業で半数。居住地別では東京、神奈川、大阪、愛知、埼玉、千葉の都府県で6割を占めた。
政府が検討している分散化の具体案を示して意見を求めた。具体案は一部の祝日を「記念日」に変更し、その分の休日を春と秋に振り分け、5つの地域ごとに大型連休を分散取得するもの。
「分散化が実施された場合に何をするか」を聞いた質問への回答は、国内宿泊旅行が全体の12%だったほか、国内日帰り旅行が3%、海外旅行が6%だった。多かった回答は「仕事をする」27%、「家でゆっくり過ごす」24%。「仕事をする」の回答者には、「仕事をしたいのではなく、他地域の顧客、取引先と休日が一致しない以上、今まで休めたはずの休日も返上して仕事をせざるを得ない」などの趣旨の声も多かった。
個人にとっての分散化のメリットを聞くと、「メリットは特にない」の回答が最多で68%に達した。「混雑が緩和され、旅行がしやすくなる」は14%、「旅行費用が安くなり、旅行がしやすくなる」は7%だった。混雑や旅行費用については、「連休期間が同じ地域内の混雑は解消されないのでは」「旅行費用は本当に安くなるのか」といった疑問も多かった。
デメリットの方は、「異なる地域に住む家族や友人に会えなくなる」27%、「企業の経済活動等に支障が生じる」24%、「仕事が休めなくなる」20%、「祝日の意義が薄れる」9%が上位だった。
また、「『年次有給休暇の取得を促進することが大前提』という意見があるが、どう考えるか」の質問には、「その通りだと思う」が43%、「その通りだと思うが、実際には仕事の都合等のため取得できない」が31%。実現の有無を別にすれば、有休取得の促進を前提とする意見は合わせて7割以上。有休取得に関する法整備、休暇に対する社会全体の意識改革が必要だとする意見もあった。
今回の調査はネット上で登録して参加してもらう「アイデアボックス」という手法で、必ずしもあらゆる属性を網羅したとは言えないが、分散化の制度化に否定的な意見や疑問も多くある現状がうかがえる。観光庁では合意形成に向け、分散化による旅行需要の増加を通じた経済全体への波及効果などを説明しつつ、制度変更に対する懸念の払しょくなどに努める。政府は来年の通常国会への関係法案の提出を目指しているが、今回の登録者からは「もっと広く意見を集める必要がある」などの指摘も出ている。
環境省、温泉排水規制のあり方検討へ
環境省は、温泉旅館からの排水に含まれるホウ素やフッ素の基準などについて話し合う「温泉排水規制に関する検討会」(座長、須藤隆一・東北大大学院客員教授)を設け、3日、東京都内で初会合を開いた。
ホウ素、フッ素は大量に摂取すると人の健康を害する可能性があるとして、同省は01年に排水基準(排水1リットル当たりホウ素は10ミリグラム以下、フッ素は8ミリグラム以下)を定めた。しかし、除去技術が確立されていなかったこともあり、温泉を利用する旅館業は規制が緩やかな暫定基準(ホウ素は500ミリグラム以下、フッ素は15〜50ミリグラム)が適用されていた。
暫定基準は3年ごとに延長されており、今年4月には3回目の延長が決まった。しかし、2013年6月には期限切れを迎えるため、同省は基準の扱いについて検討会を設け、検討することにした。
検討会は、(1)温泉排水の規制の現状と課題(2)今後の排水規制のあり方──について話し合うが、検討会としては1年後をめどに意見書をとりまとめる方針で、「規制のあるべき方向性を見い出したい」(須藤座長)としている。
なお、須藤氏以外の検討会委員は次の通り(敬称略)。
秋葉道宏・国立保健医療科学院水道工学部長▽浅野直人・福岡大教授=座長代理▽大久保規子・大阪大大学院教授▽甘露寺康雄・中央温泉研究所常務理事▽辰巳憲司・産業技術総合研究所浄化機能促進研究グループリーダー▽布山裕一・日本温泉協会事務局長▽平沢泉・早大理工学術院教授▽藤田正憲・大阪大名誉教授▽真柄泰基・トキワ松学園理事長▽森川格・兵庫県水道課長▽森田昌敏・愛媛大教授
観光庁、スポーツ観光マイスターに4氏任命
溝畑観光庁長官(中央)とマイスターら=6日の任命式
スポーツを通じた観光の活性化を推進する観光庁は、情報発信力を持つプロスポーツ選手らを「スポーツ観光マイスター」に任命し、訪日旅行PRに活躍してもらっている。これまでにサッカー日本代表の元監督でFC琉球総監督のフィリップ・トルシエ氏ら7人を任命している。
7月に第1弾として任命したのは、トルシエ氏のほか、自動車レース「ル・マン」の現役最多出場記録を持つ寺田陽次郎氏、トライアスロン選手で米子市観光協会に所属してスポーツ観光を推進する小原工氏。
今月6日には第2弾として、ビーチバレー選手の朝日健太郎氏と浦田聖子氏、フリーダイビング選手の篠宮龍三氏、五輪金メダリストの元体操選手の塚原光男氏を任命した。
観光庁国際会議室で開かれた任命式で、フリーダイビング選手の篠宮氏は、出場選手、実行委員長としてかかわった今年6〜7月の世界選手権沖縄大会に触れ、「日本初の開催。12カ国約50人の選手が参加した。外国人選手は日本にこんなにきれいな海があることに驚いていた。今後も沖縄の海を世界にPRしていきたい」と語った。
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