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  地域観光 ■第2473号《2008年6月28日(土)発行》  

岩手・宮城内陸地震の風評被害払しょくへ、観光関係者が健在アピール
復興支援を呼びかける岩手、宮城のおかみ会ら(19日)


 岩手・宮城内陸地震の復興に励んでいる両県の観光関係者が19日、横浜市で開かれた「旅フェア2008」の会場に駆け付け、「被害は(岩手)県南の一部のみでほとんどの施設は大丈夫。多くの人に訪れてもらい、復興を支援してほしい」と呼びかけた。被災地から遠く離れ、影響を受けていないにもかかわらず宿泊のキャンセルが出始めており、地震などのたびに繰り返される風評被害に観光関係者の表情も曇りがちだ。

 メーンステージには、「皆さまに大変ご心配をおかけしています」「栗駒山周辺以外の主要観光地への旅行は支障ありません」などと書いたチラシを手に持った、両県の旅館・ホテルの支配人や女将ら約10人が上がり、地震の状況を報告した。

 みやぎおかみ会の磯田悠子会長(ホテル松島大観荘)は全国からの激励に感謝した上で、「正確な情報をお伝えしたい。栗駒山近辺以外は何の被害もなく、集中した地震だった。私たちも被災者を援助して一刻も早く元通りになるよう努力している。道路も鉄道も無事走っている。ぜひ出かけていただき、温かい声をかけてもらいたい」と訴えた。

 岩手観光誘致協議会の佐藤康氏(ホテル大観)は、「岩手は広く、9割(の地域)は被害を受けていない。被災地の皆さん、県民とともに(復興に向け)頑張りたい。東北はこれから夏祭りの季節。苦しさを乗り切るために乱舞して元気なところをみせたい」と笑顔で語った。

 いわておかみ会の大沢幸子会長(岩手湯本温泉対滝閣)も「亡くなられた方々の冥福を祈りながら、県民一丸となって復興に努力している。被災は県南の一部のみ。祭りや様々な食もあるので、変わらぬ支援をお願いしたい」と強調した。

 別の女将は「発生後に宿泊のキャンセルが相次いだが、徐々にその数も減りつつある」と胸をなで下ろす。早期の安全宣言を期待するが「近くに被災者がいる状況の中で『ここは無事だから来て下さい』とは強く言えない」と複雑な胸中を明かす。

 「観光客数は例年の3分の1にまで落ち込んでいる」と言うのは平泉町の担当者。近隣の一関市や奥州市が被災し、その間に挟まれている同町も大きな被害を受けたと思われている。「文化財などに大きな被害はなく、道路事情にも特に大きな問題はない」と力を込め、風評を打ち消そうと躍起になっている。

 風評被害が広がるのを防ぐため、東北運輸局と東北観光推進機構は「岩手・宮城内陸地震観光関係者会議」を設置、20日初会合を開いた。

 同会議は東北6県の観光担当者と日観協や日観連、国観連などの東北支部長らで構成。夏の観光シーズンを控え、当面、(1)各県および県観光協会は観光地における被害状況、宿泊・観光施設の営業状況などに関して、最新かつ正確な情報発信を行う(2)宿泊業者は首都圏などでのキャンペーン実施、誘客促進策を検討する(3)旅行業者は正確な情報を本社などに伝達し、東北地方への誘客を依頼する──などに取り組むことを確認した。



観光地域づくり人材育成シンポ、都内で開催
人材育成をテーマにしたパネルディスカッション


 地域活性化に必要な人材育成の方法や課題などを探る「観光地域づくり人材育成シンポジウム」がこのほど、東京都内で開かれた。主催は国土交通省。実際に人材育成に努める自治体や民間団体などのキーパーソンが講師となり、地域資源を見直す活動などの実例を紹介した。会場には自治体や教育関係者、観光関連団体など276人が出席した。

 観光地域づくりのための人材育成をテーマにパネルディスカッションを開催。山形県の後藤靖子副知事、皆生菊乃家(鳥取県米子市)の若女将・柴野裕美子さん、阿寒観光協会まちづくり推進機構の藏根敏文専務理事、観光の活性化を手がけるイデアパートナーズの井手修身社長が登壇した。

 山形県の後藤副知事は「人材育成には、まず住民自らが地元の観光資源に気づく必要がある。そのためには他地域の住民と交流する場がいる」と強調し、県内4地区の持ち回りで講習会を開き、地元を巡るツアーなどを行う「山形観光まちづくり塾」の活動を説明した。

 後藤副知事は「塾の開講を通じて他地域の住民同士がつながり、地元に足りないものを客観視できるようになった。塾生自らホームページを設立するなどの新しい取り組みも始まっている」と成果を語った。

 旅館の人材育成の取り組みは、皆生菊乃家の柴野さんが紹介。皆生温泉旅館組合では、おもてなしを充実させるため旅館主や従業員らを対象にした「皆生温泉教授制度」を設立した。「1年4回の講座で泉質や人体への効果などを学んだ後、ガイドとして活躍してもらっている」と報告した。

 柴野さんは「今、温泉地の活性化のために何が必要か、そうした問題意識を共有できる従業員を育成することが大切」と話し、旅館自らが人材育成に取り組む重要性を訴えた。

 シンポジウムでは、児童・生徒の観光地域づくりへの参加をテーマにしたパネルディスカッションも開かれ、各地域の実践例などが紹介された。



長野県、旅行会社に秋冬のモデルルート提案

 長野県は18日、東京都内で、旅行会社を対象に「信州旅行商品造成商談会」を開いた。出席した約100人の商品造成担当者らに、秋冬のモデルルートや来年春開かれる善光寺御開帳を中心に見どころを紹介した。

 冒頭あいさつした恵崎良太郎・信州・長野県観光協会常務理事は、春に策定した「観光立県長野再興計画」(08〜12年度)の概要を説明した上で、「観光客は最盛期の8割にまで減っている。県への誘客に旅行会社の果たす役割は極めて大きい」と述べ、一層の商品造成・販売を訴えた。

 県を日本アルプス、木曽路、北信濃、東信州、諏訪、伊那路の6エリアに分け、それぞれの代表的なモデルルートを提示した。例えば、日本アルプスエリアでは善光寺や穂高神社大御遷宮祭の拝観に加え、新しい観光資源「松本の水巡り」などを盛り込んだ1泊2日のツアーを紹介。

 7年に一度の盛儀となる善光寺御開帳は来年4月5日から5月末まで開かれる。このほか、来年は7年に一度の戸隠神社式年大祭、20年に一度の穂高神社遷宮祭などの催事がある。



「連携&競争。そして、創客へ」北海道観光振興機構がキャッチフレーズ決定
坂本会長(左)と審査会の中田副委員長


 4月に新組織として発足した社団法人北海道観光振興機構(坂本眞一会長)は20日、機構の略称を「観光機構」にしたほか、公募していたキャッチフレーズとロゴマークを発表した。キャッチフレーズは「連携&競争。そして、創客へ」。ロゴマークは「北」の漢字をデザインしたものにした。

 キャッチフレーズはサミット後の北海道観光の発展を目指し、道内の観光業界に関わる人たちが肝に銘じるような言葉としたという。

 審査委員長は札幌市立大学デザイン学部の武邑光裕教授、副委員長はリクルート北海道じゃらんのヒロ中田編集長で、このほか女性有識者外国人などの審査会で審議された。坂本会長は「北海道内各地の関係者と情報交換など連携を密にし、地域とスクラムを組んで新たな顧客を作り出し、観光振興につなげていきたい」と述べた。



7月1日から山口デスティネーションキャンペーン

 JRグループは7月1日から9月30日まで、山口県の地元自治体や観光関係者と「おいでませ山口デスティネーションキャンペーン(DC)」を開催する。「はじめてなのに、なつかしい。おいでませ山口へ」をキャッチフレーズに、様々なイベントを開催するほか、特典の付いたキャンペーンガイドブックを発行する。

 目玉の1つは「なつかしい列車の旅」。愛称「貴婦人」のC57形1号機が牽引する「SLやまぐち号」が、土日だけでなく、期間中は毎日運転される。レトロ感ある山陰観光列車「みすゞ潮彩」、幻想的なトンネルを走る錦川清流線「とことこトレイン」も加えた3列車では、乗車客にオリジナルグッズをプレゼントする。

 日本三名橋に数えられる錦帯橋のある岩国市では、本格的な錦帯橋のミニチュアを組み立てる体験講座を予約制で開講。日本最大のカルスト台地秋吉台と大鍾乳洞の秋吉洞では12コースのエコツアーを7月13日以降の毎日曜日に実施する。

 城下町・萩では、週末を中心に歴史講座「萩・維新塾(DC特別編)おもしろ講座」を開講する。

 また、日本テレビ系の人気アニメ・名探偵コナンとタイアップしたメディアミックス謎解きツアーを復活。「名探偵コナン萩・秋吉洞ミステリーツアー」を7月1日から実施。同ツアーはアニメのオリジナルストーリーをもとに対象エリアを見て回る。ツアーキットで犯人捜しなどを行う。

 県内18地域では、地元に伝わる昔話や伝説を紹介する紙芝居を上演。年輩の人にとってはなつかしく、子供たちも楽しめる。専用ガイドブックでは、観光情報を掲載するほか、各種観光施設の割引チケットも付けた。

 山口DCは、萩市と隣接して観光エリアを形成する島根県津和野町と益田市、また、下関市と隣接する福岡県北九州市門司区もキャンペーン対象地域に含まれている。

 フグや関門海峡で知られる関門エリアでは、二次交通整備として、JR下関駅と城下町・長府を結ぶ2階建てのロンドンバスを7月1日と期間中の土・休日に運行する。

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