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  トラベル ■第2463号《2008年4月12日(土)発行》  

GWの国内旅行人数は前年比微減、連休配列が影響?


 JTBがこのほど発表したゴールデンウーク(GW、4月25日〜5月5日出発日基準)の宿泊旅行動向の見通しによると、国内旅行人数は2144万4千人と前年同期比で0.2%の減少となる。連休は3〜6日の4連休のみというパターンは、平日を1、2日休めば7〜10連休となった直近4年間と比べると長期・遠距離旅行には向かない。海外旅行人数も45万8千人と14.6%減となり、総旅行人数でも2190万2千人と0.5%減の予測だ。 国内旅行は子供連れのファミリー旅行が中心。5月3、4日を軸に後半4連休に集中するGWのため、大人のカップルや友人、グループは混雑を敬遠する傾向が強いようだ。

 注目の的は4月15日から25周年記念行事が始まる東京ディズニーリゾート。5月3、4日の舞浜地区のホテルはほとんど満室状態。5月3、4日の観光地はどこもいっぱいで、特に京都市中心部、沖縄のビーチリゾートホテルも人気だ。

 GWだから支出を抑えず楽しみたいという意欲が強い。JTBの国内宿泊販売状況でも、有名温泉地やリゾートは高額宿泊施設から予約が入っているという。

 海外旅行は、JTBの海外パッケージツアーの予約状況では、3〜5日出発分は多くの方面で前年を上回る。しかし、燃油サーチャージがさらに高騰していることから、海外旅行者全体の減少を招いている。



三越がオリジナルバスツアー、ターゲットはシニア富裕層
左側にペアシートを配置した車内


 サロンや航空機のビジネスクラスのような豪華な内装のバスを利用し、ゆったりと良質な旅時間を過ごせるツアーが注目を浴びている。4月から大手百貨店の三越は、豪華バスツアーの販売を始めた。同店の上客を中心とした、シニア世代の富裕層の旅行需要の取り込みを狙ったものだ。 同社で旅行商品を取り扱う、三越トラベルセンターが発売したのは、オリジナルバス「三越プレミアムクルーザー」を利用したバスツアー。通常45人乗りのバスをベースに、ペアシートを5列配置、10人乗りの特別バスを用意。座席は革張りにし高級感を出したほか、シェルシートタイプの座席を採用、リクライニング席を倒しても前後の席に影響せず、プライベート感を保てるようにした。各座席には小型ディスプレイも搭載、映画などを楽しめる。高齢の顧客に配慮しAEDや広めのトイレなども配備。

 10人でバス1台を動かすことから環境効率が低いため、カーボンオフセットを導入。環境に配慮する旅行者に対応した。

 同社は、三越の上客を中心に2月下旬に全17コースを発売。発着が日本橋三越本店(東京都中央区)のため、伊豆や箱根など首都圏近郊の温泉地などへ行くコースをそろえた。例えば伊豆方面に桜を見に行くコースは、小田原城址などを見学、昨年オープンした高級温泉旅館「熱海ふふ」に宿泊する。旅行代金は2人1室利用で、1泊2日1人14万8千円。

 旅行代金は各コース12〜20万円と高額だが、現在販売している7月3日までの旅行商品は、「すでに定員の8割ほど予約が入っている」(同社)。

 夏以降は、1週間程度の滞在型ツアーなどの販売も視野に入れる。同社では、「ゆとりのある、大人の旅を楽しんでもらいたい」と話す。

 従来、バスツアーは安価に楽しめるものが多かったが、昨年来、バス内での快適性を高めたり、内容に趣向を凝らすなどして付加価値を高めたツアーを各社が次々に発売している。

 クラブツーリズムは昨年8月から、フットレストなどを備えた座席をゆったりと8列配置したバス「ロイヤルクルーザー」を利用したバス旅を同社の国内最高級旅行ブランド「四季の華」で販売する。現在宿泊、日帰り商品合わせて約30コースを販売。宿泊商品の旅行代金は3万8千〜28万5千円だが、「非常に好調」(同社総務部)。60〜70代の夫婦での参加が多いという。

 「バスハイク」ブランドで、日帰り・宿泊のバスツアーを企画、催行する西鉄旅行(福岡県福岡市)は、昨年12月にデラックス仕様のツアー「バスハイクゴールド」を発売した。通常の日帰りバスハイクが5千円ほどの価格なのに比べ、バスハイクゴールドは日帰りで1〜2万円と割高。しかし、予約状況は好調で、「日帰りコースはほとんどが満員での催行」と同社。隣県からの参加者もあるほか、リピーターも多いという。

 同社では、女性スタッフを中心とした検討委員会で準備を進め、60〜70歳代の女性にターゲットを絞った商品を造成。通常45人乗りのバスを30人でゆったりと利用し、ふぐやたけのこといった季節の味をレストランなどで楽しめるツアーにした。「旅慣れた人が多い世代をターゲットにしたので、食事時間をゆったりとったほか、見学場所も1、2カ所に絞ってゆっくり見るようにした。解散も早いので、帰ってから家事もできる」(同社バスハイクセンター、吉田久美氏)。

 バスツアー商品は、従来の格安ツアー一辺倒から、富裕層向けのこだわりの旅や日帰りで楽しめるリフレッシュのツアーまで、多様化が進む。金額が多少高くても、行ってみたいと消費者に思わせる付加価値付けが、今後さらに重要となってくるかもしれない。



1〜3月の国内旅行、国内景気の低迷で横ばいに JATA調べ

 日本旅行業協会(JATA)が四半期ごとにまとめている「旅行市場動向調査」によると、1〜3月の国内旅行は、海外からの需要シフトがあるものの、物価高などで低迷する国内景気に阻まれてDIは3カ月前(07年10〜12月)のマイナス6からマイナス7とほぼ横ばい。方面別では奄美・沖縄、東京(含む横浜・浦安)、九州が好調。

 方面別DIを見ると、奄美・沖縄は3カ月前より18ポイント上昇し28に。東京と九州も10ポイント超上昇して9、5とそれぞれマイナス値からプラス値へと好転した。逆に、東北は24ポイント減少しマイナス49に、甲信越、静岡(含む伊豆)、京阪神、愛知・岐阜・三重はそれぞれ10ポイント前後低下し、37、37、13、31の各マイナス値。

 前年同時期と比較すると、奄美・沖縄は14ポイント高く、関東(マイナス11)、愛知・岐阜・三重も10ポイント前後上回るが、静岡は7ポイント下回る。

 3カ月後(4〜6月)の国内旅行全般は、海外シフトの追い風が続き、花見シーズンの到来でマイナス1へと好転する見込み。奄美・沖縄は20と低下するがプラス値を維持。東北、北海道、静岡、甲信越では10ポイント以上の上昇が見込まれる。

 一方、1〜3月の海外旅行DIは、国内外の景況感の悪化や燃油高の長期化、中国の不振で、3カ月前のマイナス11からマイナス33と大幅ダウン。3カ月後も、不振の材料が残り、ゴールデンウイークの日並びも海外旅行に適するとは言えず、マイナス28の予測。

 JATAの旅行市場動向調査では、各質問事項に対し「良い」「普通」「悪い」「取り扱っていない」で評価を求め、DI(ディフュージョン・インデックス)という景気動向指数を発表している。DI値の範囲は、100(すべての回答が「良い」)からマイナス100(同「悪い」)の間となる。



JR西日本と四国、「春の讃岐キャンペーン」開始

 JR西日本とJR四国は1日から「春のさぬき『香川・高松』キャンペーン」を開始した。期間は6月1日まで。10日に本州と四国を結ぶ初の連絡橋で唯一の鉄道・道路併用橋である瀬戸大橋が開通して20周年を迎えるのにあたり、実施される。

 期間中には10日の1日限定で、岡山〜高松間に開業時運転されていた「懐かしの213系マリンライナー」をリバイバル運転。4月の土、日曜とゴールデンウィーク(GW)期間に1日1往復「瀬戸大橋アンパンマントロッコ列車」を運転する。

 また、GW期間を除く土、日曜には、地元のガイドの説明を聞きながら本場のさぬきうどん屋4店舗をまわる「さぬきうどん探検バス」を運転する。駅から歩いて行くことができる38のうどん店を対象にしたスタンプラリーも実施する。

 同期間中には、香川県内では、うどんのルーツがシルクロードであることから、シルクロード各地の麺を集めた世界麺フェスタINさぬきが開催されるほか、高松市内の隠れた観光スポットを巡るまち歩きツアー「たかまつ松平藩まちかど漫遊帖」が実施されるなど観光イベントも充実する。



「旅の文化賞」に民俗写真家の芳賀日出雄氏


 KNTの文化事業部門の1つである、旅の文化研究所(神崎宣武所長)は5日、東京のメトロポリタンホテルエドモントで第14回旅の文化研究フォーラムを開き、旅の文化賞に民俗写真家の芳賀日出男氏=写真左、旅の文化研究奨励賞に横浜商科大学の中村純子准教授を選び、表彰した。

 フォーラムには観光や旅に関わる研究に携わる研究者など、約80人が参加。冒頭あいさつした神崎所長は、「小さな民間研究所ではあるが、(開設から)15年で100人を越える研究者を助成し、ネットワークが広がってきていることは1つの誇り。『人間にとって旅は何か』という大命題を深め、われわれの生活環境や世界平和維持のため、広い視野を持って今後一層研究に邁進して」と激励した。

 旅の文化賞を受賞した芳賀氏は1921年生まれの86歳。折口信夫ら民俗学者に師事し、1950年には日本写真家協会の創立者の1人として民俗写真の分野を開拓。民俗学、文化人類学の知識と写真技術をもって、ヨーロッパの文化の日本への紹介や日本民俗の記録を行い、多くの人を啓蒙した点が評価された。

 奨励賞を受賞した中村氏は1966年生まれの41歳。ニューカレドニアの観光活動のあり方や日本人観光客などの外的要素との関係性など、多方面からの研究が評価されての受賞となった。

 このほかフォーラムでは、昨年度研究助成を受けた大学院生らが研究成果を発表したほか、シンポジウム「外国人が見た幕末・明治」を行った。

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