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  地域観光 ■第2458号《2008年3月1日(土)発行》  

「観光地域経営フォーラム」が発足、新たな視点で地域活性化目指す
 観光を中心とした地域活性化の戦略を考え推進していく、民間主体の組織が28日、新たに発足することが明らかになった。観光・旅行業の枠にとどまらない多様な人材を集め、互いに知恵と情報を出し合うことで、「従来にない発想で新しい観光産業や地域経営のあり方を追求する」としている。観光による地域活性化の気運が盛り上がる中、新しい視点での振興策をどう打ち出すのか、注目される。

28日に発会式
 この組織は「観光地域経営フォーラム」で、28日に東京都内で発会式を開く。社会経済生産性本部(牛尾治朗会長)が中心になって設立に向け動いた。代表幹事には麻生渡・福岡県知事、須田寛・JR東海相談役、福川伸次・機械産業記念事業財団会長、望月照彦・多摩大教授が名を連ねている。

 同フォーラムは、(1)地域の資産・文化に着目した新たな観光(ニューツーリズム)の創出と、地場産業(製造業、農林水産業など)の生産性向上を通して、地域経済を活性化し、雇用創出を図る(2)観光・レジャーサービス業の経営改革、競争力向上を支援する(3)観光・レジャーを核とするまちづくり、地域づくりに向け、自治体、企業、NPOなど様々なステークホルダー(利害関係者)をネットワークし、合意形成を図る運動を展開(4)休暇改革に向けた取り組み──などの活動を行う。

 内部部会として、当面「地域ビジネスモデル推進」「休暇改革推進」の2部会を設ける。地域部会では着地主導型のニューツーリズム促進のための新たなビジネスモデルを検討し、実証実験も行う。また、会員サービス事業として、シンポジウムや勉強会、地域ブロック講演会などを実施するほか、月例研究会といった公開事業も計画している。

 民間・地域主体による活動を継続していくため会員制を導入。例えば法人Aの場合、運営分担金として一口12万円(三口以上)、加入初年度時に徴収する協賛金は同30万円(一口以上)とした。法人BはAよりも少額だが、公開事業出席の場合、参加費がかかる。一方、個人は運営分担金のみで同1万円(一口以上)、自治体は徴収しない方針。

 都市圏で開かれる事業には参加しにくい、という地方在住者にはサポート会員制(同6万円)で対応し、地域事業を行う際、スケジュールなどを知らせる。

 また、8月をめどに情報交流のためのプラットフォームを構築し、ニューツーリズムなどに関する公式ブログを開設する予定だ。

 2月20日現在、法人会員として、JTBやKNT、博報堂、オリエンタルランドなど28社、個人14人、自治体は都道府県知事12人と53の市区町村長が入っている。


沖縄県、08年度の入域客目標は620万人に

 沖縄県はこのほど、観光客1千万人を目指し、重点的な施策を展開する08年度「ビジットおきなわ計画」と目標値を発表した。入域観光客数の目標は、07年度見込み比4.6%増の620万人。国内観光客は4.1%増の598万人、外国人観光客数は22.2%増の22万人を目標に設定。観光収入は11.4%増の4770億円、観光客1人当たりの県内消費額は6.6%増の7万7千円とした。目標の達成に向けて積極的な誘客プロモーションを展開する。

 08年度「ビジットおきなわ計画」の重点項目は、(1)外国人観光客の誘客促進(2)MICE(ミーティング、インセンティブツアー、コンベンション、イベント)の誘致促進(3)ニューツーリズムの推進(4)リゾートウエディングの推進──。

 海外からの誘客については、重点地域のマーケット調査、航空路線の拡充のための働きかけ、欧米のクルーズ会社に対するトップセールスなどを展開する。

 MICEは、国際会議や企業インセンティブツアー、スポーツキャンプなどの誘致促進に加え、プロモーションの強化、環境貢献型モデルツアーの造成などを展開する。

 好調なリゾートウエディングは、一般向けのウエディングフェアと旅行会社向けの説明会を実施。市場開拓に向け東アジアの動向を調査する。

 また、受け地整備として、観光街づくりを推進する。各地域で行政、民間団体と協議。課題を整理し、取り組み状況を踏まえた上で支援を決めていく。持続可能な観光地づくりのため、観光地における観光客容量の定量化手法の研究も行う。

 質の高い人材の確保に向けては、小学校の観光学習教材を充実させる。教育機関、観光関連業界、行政などが参加する連絡会を開催していく。

 ほかにも観光客の多様なニーズに対応するため、シニア、エコ、ロングステイ、修学旅行、健康保養型の観光に取り組む。



岩手県、三陸地域の魅力を紹介
県の無形民俗文化財「菅窪鹿踊」

 岩手県の三陸地域の市町村や観光協会は2月21日、東京都港区のホテル日航東京で「いわて三陸観光PRレセプション」を開いた。旅行業者やマスコミ関係者ら約80人が参加。観光関係者が三陸の魅力をPR、今年7月に予定される平泉の世界遺産登録を見据えた観光キャンペーンや観光ルートバスを紹介、誘客への協力を求めた。

 あいさつした宮古観光協会の澤田克司会長(宮古ホテル沢田屋社長)は、「平泉の国内15番目の世界遺産登録を控え、岩手県の観光に対する注目度は高まっている。しかし、平泉に来た観光客の多くが、花巻などの内陸に滞在するほか、北海道や青森、宮城などの隣県に流れていく傾向がある。三陸には体験型観光メニューなど、知られていない魅力がたくさんある。二次交通の充実などを今後進めるので、ぜひ積極的な商品造成を」と訴えた。

 また岩手県商工労働観光部観光課の石川義晃・特命課長が、岩手県の観光客入り込みの概要と観光政策、若手書家の武田双雲氏の揮毫による「平泉の文化遺産」の新ロゴなどについて説明を行ったほか、釜石、宮古、大船渡の各地域がプレゼンテーションを行った。県指定の無形民俗文化財、菅窪鹿踊(すげのくぼししおどり)も披露された。

 同県では世界遺産遺産登録に併せ、7〜9月にJR東日本などと連携し、「いわて・平泉観光キャンペーン」を実施する。共通の「おもてなしシール」を作成し、割引特典やトイレ貸し出しなどのサービスを行う施設に掲出するほか、スタンプラリーを実施、抽選で合計1千人に特産品を贈るプレゼントキャンペーンも企画する。

 同県の07年7〜9月期の観光客入り込み数は延べ1353万人で、前年同期比3.8%増。沿岸地域は332万人で、同5.5%増となっている。


上越市、「SAKE」活用し都内で観光PR
観光イベントを紹介

 新潟県上越市は2月22日、東京都内のホテルで「越後・謙信SAKEの会」を実施した。地酒を通して市の観光イベントなどを紹介する初の試み。当日は市出身者や旅行会社、マスコミ関係者ら約50人が集まった。

 会場には地酒21銘柄が勢ぞろいし、蔵元自らが自慢の酒を説明。「のっぺ」など地元食材を使ったに郷土料理も振る舞われた。

 市観光局長の村上雅巳氏は、来年のNHK大河ドラマ「天地人」は市が舞台となることや今後の観光イベントを説明。特に、大河ドラマへの期待は大きく、「観光客増に弾みをつけたい」と述べた。

 4月4日からは日本三大夜桜の1つ「観桜会」が始まる。会場は高田公園で、約4千本の桜がぼんぼりの明かりに映えるという。市の酒文化を紹介する祭り、越後・謙信SAKEまつりは10月25〜26日、本町商店街で行われる。このほか、上杉謙信の遺徳をしのぶ「謙信公祭」(8月第4土日曜日)などがある。


 
有馬温泉寺伝来の「銅製経箱」披露 
「銅製経箱」への関心は高い

 有馬温泉観光協会と有馬ふれあいのまちづくり協議会は2月14日、兵庫県神戸市の有馬の工房・多目的ホールで、昨年末に同観光協会が美術品オークションで落札した、有馬山温泉寺伝来の「銅製経箱」について講演会を開催した。同日から24日までの期間、温泉寺に隣接する太閤の湯殿館で展示会も開き、銅製経箱を披露した。

 温泉寺には、平安時代の高僧・尊恵(そんえ)が、閻魔王から経典を贈られたという縁起が伝えられていた。その経典を収めていたのが銅製経箱という。1983年以降、所在不明だったが、昨年末、京都の美術品オークションに出品され、同観光協会が173万円で落札した。

 落札した銅製経箱は、外箱(28.1×18.8×14.0センチ)と内箱(27.2×17.7×12.7センチ)の2点からなる。神戸市文化財保護審議会審議委員を務める安藤佳香・佛教大学教授は「遺品の少ない中世に製作された銅製経箱として貴重」との解説を同観光協会に寄せている。

 講演会では、神戸市立博物館の学芸員、問屋真一氏が経箱の由来について、川野憲一氏が経箱に彫られた蓮華文様などの美術的価値について解説。午前と午後の2回開催され、約100人が参加した。

 同観光協会の當谷正幸会長は「古くから温泉寺に伝わる宝物の1つで、まさに有馬の名宝。閻魔王と有馬の物語が残っており、有馬の新たな観光資源として期待できる」と話している。

 銅製経箱は3月1日から31日まで、神戸市立博物館で展示される。



 
静岡・稲取温泉で「三大つるし飾りサミット」
シンポジウムで意見交換した

 日本三大つるし飾りの地と言われる山形県酒田市、福岡県柳川市、静岡県稲取の3地域が一堂に集まる「三大つるし飾りサミット」が2月24日、稲取温泉で開かれた。3地域が一堂に集まるのは初めて。3地域はつるし飾りを歴史資源とする「三大地域」として国内外に共同発信することを宣言、つるし飾りを生かした観光振興に、連携して取り組んでいく。また、中国の書道家・李凌氏がサミットを記念し、揮毫を実演した。

 同サミットでは3地域が各地域のつるし飾りを紹介。山形県はつるし飾りを「傘福」、柳川市は「さげもん」、稲取は「雛のつるし飾り」としてひな祭りに飾り祝っている。稲取旅館協同組合の村木さとみさんは「旅館組合の女将が中心となって雛のつるし飾りを伝承させる活動に力を注いできた。次世代に子孫を思いやるやさしい気持ちを伝えていきたい」と強調した。

 つるし飾りのシンポジウムでは「地域の魅力を活かした新たな観光振興に向けて」をテーマに3地域が意見を交わした。酒田市は「地域の女性の参加が観光振興をしていく上では欠かせない」と述べた上で、酒田市の女性で結成する「女性会」について紹介。柳川市は「参加型の観光地づくりが観光振興の秘訣」と話す。稲取は「観光基盤整備としてハード面ではなく、『おもてなしの心』といったソフト面の強化に取り組んでいる」と現状を話した。

 シンポジウムでは同温泉観光協会事務局長の渡邊法子氏がコーディネーターとなり、渡邊氏は「各地域でつるし飾りをアピールしながら、3地域の特徴を携えて海外に発信していきたい」と締めくくった。

 サミットの最後には李氏が「雛」の一文字を力強く揮毫した。

 来年は福岡県柳川市で同サミットが開かれる。

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