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観光行政 第2435号《2007年9月1日(土)発行》  

来年度の組織・定員要求に「観光庁」新設盛り込む 国交省

 国土交通省は8月28日、来年度の組織・定員要求に「観光庁」の新設を要求すると発表した。「国全体として官民を挙げて観光立国の実現に取り組む体制」が必要として、観光庁長官をトップとする外局を設置。現行の観光部門6課79人を再編し、人員を110人規模に拡充する。財務省などに要求が認められ、関係法案が成立すれば、来年秋をめどに観光庁が発足する。観光庁の創設は、観光業界が長年要望してきた“悲願”、観光立国の実現に大きなはずみとなる。

 観光庁の組織構想は、長官、次長のもと、「長官官房」に総務課、観光産業課、「国際観光部」に国際観光政策課、国際交流推進課、「観光地域振興部」に観光地域振興課、観光資源課を配置。長官官房内には課長クラスの参事官3人、両部にはそれぞれ部長を置く。

 観光庁新設の狙いは、地域や民間の取り組みを支援して観光立国の実現を推進するとともに、観光立国推進基本計画に掲げた目標の実現に向けて関係省庁との調整にリーダーシップを発揮、さらに海外への情報発信や外国政府との交渉を効果的に進めることにある。

 国交省観光政策課は「与野党一致で成立した観光立国推進基本法の中で、観光立国の実現は、21世紀のわが国経済社会の発展に不可欠な国家的課題と位置づけられた。この実現には体制を整備し、国全体で取り組む必要がある」と指摘する。

 行政組織のスリム化が求められる中、外局の新設に調整の難航を予想する見方もあるが、国交省全体の定員は純減要求となっており、他の外局の統廃合も進めている。



安倍改造内閣発足、観光立国に強力布陣


 安倍改造内閣が8月27日発足した。冬柴鐵三国土交通相(71、観光立国、海洋政策担当)が留任し、泉信也経済産業副大臣(70)が国家公安委員長として初入閣を果たした。組閣に先立つ自民党役員人事では二階俊博国会対策委員長(68)が総務会長に起用された。幹事長代理には党観光産業振興議員連盟事務局長を務めた細田博之元官房長官(63)が就任。

 観光立国のかぎを握るとされる「観光庁」の創設が焦点となる中、観光政策に強い影響力を持つ二階氏が党の最高意思決定機関の議長に、また観光庁創設に意欲を示す冬柴氏が国交相と、ともに政権の要職に就いたことは、観光立国実現に向けた強力な布陣が敷かれたといえそうだ。

 冬柴氏は昨年9月の安倍政権発足時に初入閣。観光立国担当相として活発な動きを見せ、羽田〜上海・虹橋間の国際線チャーター便を実現するなど、国際観光交流面で大きな実績を上げた。近く本格化する日中国交正常化35周年を踏まえた、両国の観光交流の成功が当面の課題となる。

 一方、二階氏はわが国の観光を政治面から一貫してリードし、観光立国実現に大きな役割を果たしてきた。今回、党大会、両院議員総会に次ぐ最高意思決定機関である総務会の会長に就任した意味は大きい。「観光を取り巻く政治的課題の解消にもぜひ手腕を発揮してもらいたい」と業界関係者の期待も高い。

 泉氏は、今回、総務会長に起用された二階氏の右腕的な存在であり、二階派の事務総長を務める。細田氏は観議連事務局長を務めるなど観光政策にも明るい。

 観光立国の早期実現に向けどういった政策を打ち出していくのか、今後の各氏の活動が注目される。



農水省、郷土料理100品目選定へ

 農林水産省は日本を代表する郷土料理100品目の選定に着手する。過疎化が進む農山漁村の活性化が目的で、全国各地に伝わる郷土料理の歴史や文化に関する情報を発信、料理を通じて地域の良さを再発見してもらう。インターネットによる人気投票も実施し、選定の参考にする。

 選定は有識者らで構成する「郷土料理100選選定委員会」が行う。選定委の委員長には服部幸應・服部学園理事長が就き、委員にはJTBの舩山龍二会長も名を連ねている。

 100選の対象は農山漁村の地域住民の間で受け継がれ、今も食されているのが条件。全国的に商業化している郷土料理は原則として対象外となる。同省によると、郷土料理は「調理済みの状態を指し、食材そのものは除外する。加工品や菓子類は含める」。

 選定基準は、(1)郷土料理としての地域性や独自性、農山漁村における歴史文化的な価値を有しているか(2)保存、継承への努力がなされているか(3)都市との交流、地域振興に活用されているか──など。

 選定委は7月の時点で候補料理として約1700品目を選んでいる。9月1日から10月10日までの期間、インターネット(http://www.rdpc.or.jp/kyoudoryouri100/)による一般からの人気投票を実施、審査の参考とする。これを踏まえ、10月までに約300品目まで絞り、12月に100品目を決めて公表する方針だ。

 選ばれた料理は来年2月をめどに、100選の概要(歴史・文化、レシピなど)と選定委員のコメントを交え、刊行物やウェブサイトを通じて全国に発信する。08年度には「食べてみたい、食べさせたい、郷土料理」という視点でのイベント開催も検討。100選を巡るツアー企画を旅行会社に呼びかける考えだ。



08年度の観光予算、27%増の81億円 国交省

 国土交通省は8月28日、来年度予算の概算要求をまとめた。総合政策局観光部門の予算は、前年度予算比27%増の80億8712万円。国際観光振興機構の運営費交付金などを除く、事業実施のための「観光立国予算」は、57億7643万3千円で、局内の関係予算を含めると約58億2千万円、前年度予算比で約1.4倍の規模になった。

 新規事業では、観光産業イノベーション促進事業費に8千万円を計上した。旅館の客室稼働率アップに向けて複数施設の客室をネット上で共同販売するシステムの整備など、複数の事業者が共同で取り組む実証事業を公募して支援、新たなビジネスモデルを普及する。

 国際競争力の高い魅力ある観光地づくりの推進費には11億8700万円。複数の市町村にまたがる「地域観光圏」、県境を超える「広域観光圏」など広域の観光地づくりに新たな支援制度を創設し、国内外の観光客の滞在日数を拡大させる。

 訪日外国人旅行者のリピーター化を促進するビジット・ジャパン・アップグレード・プロジェクトと国際会議の開催・誘致の推進費には、42億5600万円を計上した。

 税制改正要望では、観光地づくりを支援する新法で認定された地区内の宿泊施設に対し、地域交流や景観創出など公共性の高い新築や増改築での不動産取得税を課税標準の2分の1に、固定資産税、都市計画税を5年間2分の1にする。



広域・総合観光集客サービス支援事業に15件選定 経産省

 経済産業省はこのほど「広域・総合観光集客サービス支援事業」の採択案件を決定した。採択されたのは「登別白老観光連携ビッグバン事業」など広域観光を推進する15プロジェクト。

 今年6月に事業を公募していた。全国から31件の応募があり、有識者による審査委員会で15件を採択した。事業にかかる補助対象経費の2分の1を支援する。

 登別の事業は、登別観光協会や登別温泉旅館組合、JTB北海道などが参加し、登別・白老地域それぞれの特色を生かした伝統文化体験や商店街の賑わいを創出する。

 具体的には、アイヌの伝統楽器トンコリの演奏体験プログラムや、商店街店主が地域の見どころ情報などを案内するガイドの役割を果たすことで商店街の賑わい、地域としての付加価値を高めた集客の増加を目指す内容だ。

 その他のプロジェクト名は次の通り(カッコ内は参加予定メンバー)。

 ニセコブランドの発信による広域・総合観光集客サービス支援事業(ニセコ倶知安リゾート協議会など)▽庄内エリア地域交流プロジェクト(庄内観光コンベンション、JTB東北など)▽南房総=家族時間=創出マネジメントプロジェクト(JR東日本など)▽新潟・食と花の交流プログラム開発事業(新潟観光コンベンション協会など)▽花の秩父路健康・健脚・交流プロジェクト(コスモプランなど)

 見る・作る・学ぶ 富山県西部地域産業観光ツーリズム推進事業(高岡商工会議所など)▽越前伝統工芸ものづくり産地本物の体験、こだわりの食、感動の旅(越前伝統工芸連携協議会など)▽iまちあるき賑わい創出事業(京都市観光協会、KNTなど)▽県境を越えた新観光ブランド創出プロジェクト(松江商工会議所など)

 倉敷産業観光推進事業(倉敷商工会議所など)▽人情の島旅ビジネス〜やうちシステムの構築(隠岐観光協会など)▽四万十川清流ガイド育成による観光集客システム構築事業(西土佐四万十観光社)▽大分県広域滞在型観光推進事業(ツーリズムおおいたなど)▽よかばい旅倶楽部推進事業(唐津観光協会など)

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