観光庁2018年度概算要求、欧米豪市場から誘客強化へ


 観光庁の2018年度予算の概算要求額は、東北の復興予算を別にすると、17年度当初予算比17%増の247億2千万円となった。訪日外国人旅行者4千万人、観光産業の基幹産業化などに向けて新たな事業を盛り込んだ。訪日プロモーションでは、欧米豪市場で新たなキャンペーンを展開し誘客の拡大を目指す。DMO(観光地域マネジメント・マーケティング組織)を中核とした広域的な観光地域づくり、宿泊業の生産性向上なども支援する。

 訪日プロモーションの予算の要求額は、29%増の111億8千万円。「抜本改革」をテーマとして、アジアからの誘客に加えて、海外旅行市場の規模から考えて誘客が不十分とされている欧米豪への訪日プロモーションの強化に乗り出す。

 訪日外国人旅行者数全体に占める欧米豪市場の割合は12%(16年)にとどまる。他のアジアの国・地域と比べた競争力も課題で、英国やドイツからの旅行者数では、タイ、中国、シンガポールなどに劣っている。

 観光庁は、欧米豪の現在の訪日客は日本の文化などに以前から関心を持っていた層が中心で、旅行先としての日本の認知度は依然低いと指摘。従来型のプロモーションに加え、欧米豪の訪日無関心層を対象に「訪日グローバルキャンペーン」を実施し、国、年齢、関心などに応じた観光資源をSNSなどさまざまな媒体で発信する。

 DMOを対象とした事業では、「広域周遊観光促進のための新たな観光地域支援事業」として20億9千万円を要求した。今年度まで実施してきた広域観光周遊ルート、観光圏、単独市町村エリアを対象にしてきた三つの観光地域づくり支援事業を統合した事業。

 地方ブロック単位の広域連携DMO、複数市町村単位の地域連携DMO、単独市町村単位の地域DMOが連携して事業計画を策定し、役割分担を経て実施する事業を支援。補助対象はDMOまたは事業計画に基づいて事業を担う民間団体など。

 支援対象は、外国人旅行者の誘客を目的とした(1)計画策定やマーケティング(2)広域周遊観光促進のための環境整備(3)滞在コンテンツの充実(4)情報発信、プロモーション。補助率は事業費の2分の1以内となっている。

 宿泊業向けの施策では、政府が重要課題に位置づける分野で予算要求できる「新しい日本のための優先課題推進枠」を活用し、「宿泊施設を核とした地域の活性化促進事業」に2億円を求めた。

 同事業では、宿泊施設の生産性向上の推進として、マルチタスク化やICTの活用などの業務改善を促進する取り組みをモデル施設で実施し、宿泊業界への普及を目指す。物品の調達やICTの活用などで複数の施設が連携して新たな仕組みを構築するモデル事業にも取り組む。

 同事業の一環では、情報開示の促進として、個々の宿泊施設の設備やサービスの情報を外国人旅行者に分かりやすく提供し、集客につなげるモデル事業を実施する。いわゆる「格付け」などとは区別し、宿泊施設のハード、ソフトの内容を客観的な基準で評価して情報を開示、誘客への効果を検証する。

 宿泊業向けの他の施策では、訪日外国人旅行者受入環境整備緊急対策事業(要求額88億1千万円)の一部で、引き続き宿泊施設のインバウンド対応を支援する。観光産業の人材育成事業(同3億9千万円)の一部では、宿泊施設の経営者や実務担当者向けに講座やセミナーを実施する。

 
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