第31回「にっぽんの温泉100選」、草津温泉が中間集計で1位


2位指宿、3位に下呂 得票僅差、最終で入れ替えも

 観光経済新聞社は20日、主催する第31回「にっぽんの温泉100選」(観光庁と観光関係8団体後援=予定含む、トラベルジャーナル協賛)の中間集計をまとめた。昨年まで14年連続1位の草津(群馬県)が今年の中間順位でもトップ。2位は昨年3位の指宿(鹿児島県)、3位は同5位の下呂(岐阜県)だった。ただ、得票数は僅差で、最終順位は大きく入れ替わる可能性がある。投票は10月末で締め切り、最終結果は12月16日付の本紙で発表する。

 全国の大手、中堅旅行業、OTA(オンライントラベルエージェント)、キャリアの社員らを対象にした温泉地の人気投票で、温泉地の旅館・ホテルの人気投票「人気温泉旅館ホテル250選」とともに毎年行っている。7~10月の4カ月間投票を募り、本社内の事務局で集計。後援団体の代表らで組織する「にっぽんの温泉100選実行委員会」で承認を得た後、最終順位を決定、発表。

 中間1位の草津は、最終順位でも昨年まで14年連続で1位と、圧倒的な強さを誇る。「泉質主義」をキャッチフレーズに温泉自体の質の良さをアピールするとともに、シンボルの「湯畑」を中心とした温泉街の活性化に町ぐるみで取り組んでいる。人気温泉旅館ホテル250選に昨年は8軒ランクインするなど、高品質の宿泊施設が多いこともアピールポイントになっているようだ。

 2位の指宿は「砂むし」で知られる九州屈指の名湯。九州新幹線の全線開業で関西方面からの宿泊客が急増したほか、温泉地の名を冠したJR九州の特急「指宿のたまて箱」が運行、観光客らの人気を集めている。来年放送のNHK大河ドラマ「西郷どん」ゆかりの地として、さらなるブームが見込まれる。

 3位の下呂は室町時代の僧、万里集九や江戸時代の儒学者、林羅山に草津、有馬とともに「日本三名泉」の一つに挙げられた名泉。近年は国際交流も盛んで、韓国屈指の温泉地、儒城(ユソン)温泉などと友好提携を結んでいる。

 ベスト3を含めた10位以内は、順位の変動はあったものの、昨年の最終結果と顔ぶれは変わらない。

 11位以下を見ると、大きく順位を上げたのは22位の霧島(鹿児島、昨年最終40位)、28位の長良川(岐阜、同52位)、33位の長門湯本(山口、同73位)、44位の母畑(福島、同63位)、47位のかみのやま(山形、同75位)、48位の高湯(福島、同68位)などで、九州・山口、東北勢の躍進が目立っている。

 霧島は外国人を起用したPR動画、長良川は今年で7年目を迎える「温泉泊覧会(おんぱく)」、長門湯本は昨年の日露首脳会談や星野リゾートによる温泉街の活性化計画が話題になっている。

 昨年のランク外から100選入りしたのは69位の天童(山形)、74位の湯田(山口)など11温泉。

 なお、上位を含めて得票数は僅差で、今後の投票次第で大きく順位が入れ替わる可能性がある。投票は10月末まで受け付け(当日消印有効)、事務局で集計の後、12月上旬に予定の「にっぽんの温泉100選実行委員会」による審査会で最終順位を決定。結果を12月16日付の本紙で発表する。

 にっぽんの温泉100選は、温泉地の人気の実態を把握するとともに、そのレベルアップ、活性化を目的に観光経済新聞社の創刊1500年記念事業として1987年に開始。今年で31回目を迎えた。後援は観光庁と、日本旅館協会、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会、日本旅行業協会、全国旅行業協会、日本観光振興協会、日本政府観光局、日本温泉協会、公益財団法人日本交通公社の観光関連8団体。

 
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