温泉総選挙、環境大臣賞に玉造温泉


「うる肌部門」でも1位となった玉造温泉。甘露寺委員(左)とともに記念撮影に応じた

 うるおい日本プロジェクトが主催し、環境省、観光庁が後援する「温泉総選挙2016」が今年初めて実施された。温泉地のある市区町村の取り組みを評価するコンテストで、栄えある環境大臣賞には「うる肌部門」で1位となった玉造温泉(島根県松江市)が選ばれた。 

 このコンテストは、温泉を核に地域活性化を図る自治体を表彰、後押しする制度。官民一体で冬の健康増進と水資源への意識啓発に取り組んでいるうるおい日本プロジェクトが実施した。

 温泉地を持つ全国1434自治体に参加を呼びかけたところ、125の自治体から応募があった。泉質の効能や自治体によるPR活動、宿泊施設や商店街の取り組みなどをもとに、選考委員会が計8部門で優れた自治体を選んだ。来年以降は一般投票による“総選挙”で選抜する予定だ。

 8部門はリフレッシュ、うる肌、健康増進、スポーツリハビリ、ファミリー、インバウンド、女子旅、レジャー。各部門で1~5位を選び、この中から環境大臣賞を選出した。また、ウォーカーなど8メディアが選ぶ「メディア賞」も。

 11月25日には東京都内で表彰式があり、3位までの温泉地を表彰するとともに、環境大臣賞を発表した。

 冒頭あいさつした選考委員の岡崎浩巳・野村総合研究所顧問(元総務事務次官)は「(総選挙が)温泉文化、地域づくりに役立てばいい」と述べ、表彰を通じ温泉資源の一層の磨き上げを期待した。

 うる肌部門は、保湿作用やクレンジング作用などうる肌効果の高い温泉地が対象で、選考の結果玉造温泉に。表彰された松江市の関係者は「団体客が減り、厳しい状況にあったが、10年ほど前から『美肌と姫神の湯』として再生に取り組んできた。この賞は市民に勇気を与えてくれる」と喜びを語った。表彰式には自治体の首長も出席、自ら表彰状を受け取る姿も見られた。

 玉造温泉は、(1)地域DMO(観光観光地づくり推進法人)の先駆けともいえる体制の確立(2)温泉の魅力を見直し、独自の個性を生かした事業の実施など、温泉地の活性化に向け地域が一体となって取り組んでいる(3)集中管理や資源保護調査を行うなど、温泉の保護と適正利用の推進に努めている―などが高い評価を得、初の環境大臣賞に選ばれた。

 講評した同省の中島尚子・温泉地保護利用推進室長は、「今回の取り組みを通じて温泉の魅力や可能性を再確認できた。今後も自治体や関連団体と協働して、温泉地の活性化に取り組みたい」と述べた。

「温泉総選挙2016」の選考委員
 環境省(中島尚子・温泉地保護利用推進室長)▽日本温泉協会(大山正雄会長)▽日本温泉気候物理医学会(前田真治理事)▽甘露寺泰雄・中央温泉研究所専務理事▽岡崎浩巳・野村総合研究所顧問(元総務事務次官)▽夏野剛・慶応大特別招聘教授▽石井宏子・温泉ビューティー研究家

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