日本版DMOに41法人、候補から初登録


 観光庁は11月28日、観光地域のマネジメント、マーケティングを担う中核的な組織「日本版DMO」の育成に関して、候補法人157法人の中から、一定の要件を満たした41法人を第1弾として昇格させ、日本版DMOに初めて正式登録した。関係省庁が地方創生推進交付金をはじめ各種施策で登録法人を支援していく。2020年までには、さらに高度な要件を満たし、訪日外国人の誘客などに取り組む「世界水準のDMO」100法人を認定する方針だ。

 日本版DMO候補法人の登録制度は、15年11月に始まった。「日本版DMO形成・確立計画」を作成して申請した法人(設立予定を含む)を審査して登録。複数の都道府県を区域とした「広域連携DMO」、複数の市町村を区域とした「地域連携DMO」、単独の市町村を区域とした「地域DMO」に分け、候補法人の取り組みを支援している。

 候補法人から日本版DMO法人への昇格には、(1)多様な関係者の合意形成(2)データの継続的な収集、戦略の策定、KPI(主要業績評価指標)の設定、PDCAサイクルの確立(3)関係者が実施する事業と戦略の整合性に関する調整・仕組みづくり、戦略に基づくプロモーションの実施(4)データの分析などを担う専門人材の配置など(5)安定的な運営資金の確保―の5項目が要件となっている。

 5項目は、候補法人への登録の際にも、要件とされていたが、構想段階、実施予定でも登録が認められていた。候補法人は、少なくとも年1回、事業報告書を観光庁に送付するが、その際に5項目の要件に対する自己評価を提出。構想段階、実施予定ではなく、すべての要件を満たしたと自己評価した法人について、観光庁が審査して昇格、正式登録を決定した。

 昇格審査に際して観光庁は5項目の中でも、例えば、KPIの設定に必要な延べ宿泊者数、旅行消費額、来訪者の満足度、リピーター率、ウェブサイトのアクセス状況といったデータが収集できているかなどをチェックした。運営資金では、自治体の補助金、会費、収益事業など確保手法は問わないが、国の交付金頼みではなく、必要な財源を安定的に確保できる見通しの有無が審査された。

 第1弾登録の日本版DMO法人は、瀬戸内海沿岸7県の観光地域づくりにファンドなどを活用して取り組むせとうち観光推進機構など広域連携DMOで5法人。地域連携DMOは、観光圏整備法に基づく観光圏の実施主体でもある八ケ岳ツーリズムマネジメント、雪国観光圏、そらの郷などを含む23法人。地域DMOは、阿寒観光協会まちづくり推進機構、阿智昼神観光局、飛騨・高山観光コンベンション協会など13法人。

 観光庁は今後も、おおむね四半期ごとに日本版DMO法人への登録を行う予定だが、候補法人についても引き続き登録を受け付けている。候補法人は、11月28日に第11弾として17法人を追加登録し、合計で133法人となっている。

 政府は、観光施策の中長期計画「明日の日本を支える観光ビジョン」などに、20年までに「世界水準のDMO」100法人を育成する目標を掲げている。認定の要件は17年度末ごろまでに定める予定。18年度以降に認定を実施し、認定法人への支援を強化していく考えだ。

 
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