改正旅行業法、省令公布は10月末ごろ


改正旅行業法の事業者向け説明会(13日、東京都内で)

 改正旅行業法の新たな規定を盛り込んだ省令が10月末ごろに公布される。改正に伴い登録が義務付けられる旅行サービス手配業(ランドオペレーター)に関しては、省令の公布後、都道府県ごとに登録申請の受け付けが順次始まる予定だ。改正法の施行日は来年1月4日だが、登録申請は事前に開始され、施行日以降に無登録で営業活動を行うと処分の対象となる。

 旅行サービス手配業の定義は、「報酬を得て、旅行業者(外国旅行業者を含む)の依頼を受けて、旅行者に対する運送等サービスまたは運送等関連サービスの提供について、これらのサービスを提供する者との間で、代理契約・媒介・取次を行う者」。
「運送等サービス」は、バスなどの運送、または旅館・ホテルなどの宿泊のサービスを指す。「関連サービス」には、通訳案内士、免税店などの旅行に関するサービスが含まれる。

 規制の対象は、訪日旅行、国内旅行の手配行為で、海外旅行の手配行為は省令で規制の対象外となる。また、各種チケットやレストランなどの手配だけを単発・独立的に行う行為も規制の対象外となる予定。

 旅行サービス手配業者は、指定の研修を修了した「旅行サービス手配業務取扱管理者」の選任が必要。選任には施行日から6カ月の猶予規定があり、この間に研修制度の詳細が決まり、研修が開かれるので、当面は未専任で登録申請できる。管理者は定期的な研修も必要で、省令で5年ごとの受講が義務付けられる予定。

 この他に旅行サービス手配業には、旅行の安全確保の観点から、旅行業者、サービス提供者、双方に対して契約内容に関する書面の交付を義務付け。書面に記載すべき内容などは省令に定められる。また、禁止行為には、貸し切りバスの下限割れ運賃への関与、土産店から特別なキックバックを受ける前提で、旅行者に物品の購入を強要する行為などが挙げられている。

 観光庁はこれまでの調査で、旅行サービス手配業務を実施している事業者として1369社を確認。このうち786社はすでに旅行業に登録し、旅行サービス手配業への登録は必要ないが、残り583社は新たな登録制の対象とみられる。

 観光庁は、改正旅行業法の事業者向け説明会を10月11日~11月2日の期間に全国10カ所で計11回にわたって開催。旅行サービス手配業の登録制をはじめとする制度改正の周知に努めている。

 都道府県でも登録申請の受け付け準備を進めている。東京都は、9月1日から登録に関する事前相談を行っている。改正旅行業法の省令の公布後、登録申請の正式な受け付けを開始する。

地域限定に新資格 管理者の兼務解禁

 改正旅行業法では、旅行サービス手配業の登録制の創設に加え、着地型旅行の促進に向けた規制緩和が行われる。規制緩和の詳細は省令などに定められる。

 旅行業務取扱管理者では、「総合」「国内」に加え、地域限定旅行業者を対象とした「地域限定旅行業務取扱管理者」の試験、資格が創設される。試験内容からは業務実態に合わせ、航空運送や日本全国の地理などが省略され、取得しやすくなる。

 管理者は営業所ごとに1人以上の選任が必要だが、地域限定旅行業に限って管理者の複数営業所の兼務が解禁される。兼務の要件は、営業所間の距離が40キロ程度、移動時間が車で1時間程度、1人の管理者が担当する営業所の年間取引額の合計が1億円程度以下が想定されている。

 
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