サイトのトップ画面
旅館業界で人手不足が叫ばれる中、全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会（全旅連）青年部（西村総一郎部長＝兵庫県・西村屋本館）はこのほど、旅館・ホテル専門の求人サイト「旅館・ホテルでおしごと．ｎｅｔ」を立ち上げた。求職者がさまざまな検索項目から全国の旅館・ホテルの求人情報を得られたり、掲載旅館・ホテルが一般の求人広告に比べて割安で利用できたりするなど、求職者、旅館・ホテル双方にメリットがあるサイトになっている。全旅連青年部はサイトに参画する旅館・ホテルを募り、早期に６００軒の登録を目指したい考えだ。
サイトは人材採用支援システムを開発するＨＲソリューションズ（本社東京都中央区）が開発。９月７日に稼働を始めた。
働き方改革、生産性向上などの調査研究を行う全旅連青年部の労務改革委員会が青年部旅館・ホテルに参画を募ったところ、約１５０軒が登録。立ち上げから２カ月で約３００人の求職者から申し込みが来ているという。
求職者は、サイトに掲載された求人情報を旅館・ホテルが立地する「地域」のほか、接客係、フロント、調理スタッフなどの「職種」、宿泊、料飲、婚礼などの「業態」、正社員、契約社員、パート・アルバイトなどの「雇用形態」など、さまざまな観点から検索できる。求職者の多様な働き方のニーズに対応した形だ。
求職者はサイトへの会員登録が不要で、スムーズに自分に適した求人への応募が可能。
旅館・ホテルが求人を掲載するには初年度総額１２万５千円、次年度月額４千円のみ（今年１２月まで申し込みの金額。以降は変更の見込み）。
求人情報は１週間、１カ月など掲載期間が決まっておらず、採用者が決定するまで情報を掲載できる。募集する職種も１旅館で複数の掲載が可能。管理画面から旅館・ホテルが賃金などの雇用条件を自由に設定できるほか、画面には旅館・ホテルが立地する地域の最低賃金が表示され、労働基準法など法律に抵触しないよう注意を促している。
同サイトはハローワークと異なり、２４時間、求職者からの申し込みに対応。ＨＲソリューションズは「求職者が求人サイトを閲覧し、応募する時間帯は、電話などの問い合わせに（ハローワークが）受け付けできない深夜帯が最も多い」と、サイトによる求人情報発信の優位性を強調する。
サイトは外国人求職者向けに、多言語対応も予定している。
全旅連青年部の西村部長は「求人には高いコストがかかっているが、自ら入り口を作り、問題を解決しようと立ち上げたのがこのサイトだ」と話す。「多くの施設が参画することでサイトの価値が上がる」と、全旅連の組合員旅館・ホテルを中心に、今年中に３００軒、早いうちに６００軒の登録を目指したい考えだ。
