伊勢志摩学生団体誘致委員会(小見山健司委員長)は8日、東京都文京区立文林中学校(本郷光一校長)で、今月26日に修学旅行で三重県鳥羽市の離島、答志島(面積約7平方キロメートル、人口約2千人)を訪れる3年生27人(男子18人、女子9人)に対する事前学習会を開いた。
答志島体験学習の宿(8軒)の代表で「民宿旅館しま」を営む中村和久氏が現地での過ごし方や体験学習の内容を説明。伊勢志摩の食材を使った料理大会・試食会も開いた。
中村氏は、島の言葉「ええひいやのう(こんにちは)」「おおきんのう(ありがとう)」の二つを伝授。また、鳥羽市無形民俗文化財に指定されている「寝屋子制度」について説明した。寝屋子制度とは、16歳になった男子数人が、寝屋親と呼ばれる世話係の大人の家で、10年間共同で寝泊まりして過ごす、答志島に伝わる独特の風習。中村氏は「離島では全員が助け合わなければ生きていけない。その基礎を育むのが寝屋子制度」と話した。
料理大会では、加茂牛、ヒオウギ貝、アオサのり入り味噌汁、伊勢うどん、サメたれ、赤福、じゃこを班ごとに調理して、全員で試食した。見学に訪れたPTAも試食に加わった。
同校の修学旅行の本番は、5月26~28日の2泊3日で、答志島に1泊、京都に1泊する。答志島では、網引き、魚釣りなどの漁師体験を行う。宿泊は、寝屋子制度に習い、生徒27人が4軒の民宿に分宿する。
中村氏が代表を務める答志島体験学習の宿では、25年前から教育旅行の受け入れを開始。岐阜県を中心に年間10数校を受け入れている。2006年の伊勢志摩学生団体誘致委員会の発足後は、同委員会との連携で、東京を中心とした関東圏の学校も毎年1、2校が訪れるようになった。
答志島体験学習の宿の中村代表が説明
ヒオウギ貝を調理する生徒たち