【高校教育旅行特集】「ほんもの」の「学び」がそこにある(北海道・標津)


北方領土学習の講話

知床しべつ町 小さな町の大きな挑戦

 
知床の自然環境・産業・食・平和学習

 世界自然遺産知床の南に位置する当町は、「海・山・川・大平原」と4拍子そろった財産を有しております。北は知床国立公園の山々が連なり、東の洋上のわずか24キロ先に北方領土国後島が望め、内陸には牧草地群が広がっています。豊かな自然資源のほか、国内屈指の漁獲を誇る秋鮭などの漁業資源や、広大な牧草地で2万頭以上の乳牛により牛乳を出荷する酪農業の基幹産業を活用した体験型プログラムを中心に、地域の人々とふれあい交流による受け入れを行っております。

食への理解を深める

 国内初となる食の安全・安心供給システムを水産業に「地域HACCPシステム」としてプログラム化し、学習素材に提供しています。製品検査だけでなく、原材料の生産から加工、流通までの全工程であらゆる危害の発生を分析し、その危害が起こらないように工程中の管理点を監視するシステムを当地ではイクラ作りや新巻鮭作り、ホタテ貝の貝むき体験などを通し、学びを深めていただいております。

 酪農が盛んな根釧地域では、周辺地域との連携により約30軒、生徒数90人の酪農家民泊の受け入れから、酪農業の仕事を手伝い、労働の大変さを家族の一員として学び、人との絆に感動する機会を展開しています。より学びを深めるため当町では事前・事後学習の実施を提案しております。「酪農業」を通し、人間のために生きている生き物を世話し、向き合い、その命をいただくという「いただきます」本来の意味を学べる絶好の機会として、大きな反響が寄せられています。

平和学習 北方領土を考える

 終戦直後、旧ソ連軍が千島列島を侵攻し、北海道の間近までやってきたこと、北方四島に住んでいた1万7千人の人々が着の身着のままで島を追われた史実はあまり知られていないのが国内的な現状です。そして島で暮らしていた元島民の高齢化に伴い、引き揚げ当時の様子など、その真実を直接聞くチャンスが年々難しくなってきております。日露両政府が昨年12月に合意した北方領土での共同経済活動など今後の動きが注目されております。当地ならではの平和教育プログラムです。

交流が育む体験型プログラム

 標津町では、自然、産業、歴史、平和を素材とした「エコ・ツーリズム交流」事業を展開しています。従来の有名観光地やテーマパークを巡るだけの修学旅行ではなく、地元住民とのふれあいや交流・体験から感動を共有します。体験では学生がまず「やってみる」ことにより、なぜできないのかを考え、地元住民との対話から解決するなど、自主性や解決力、対話力を養います。

受け入れ対応

 受け入れの対応は、地域の各分野のいわゆる「名人」が事前に安全対策などを学び、インストラクターとしての資質を兼ね備えた方々が中心となり体験プログラムを先導します。大規模な宿泊施設がないなど不利な点もありましたが、小さな宿ならではのアットホームな雰囲気で、心のこもった地場産品メニューなどを提供。「北海道の大自然に触れ、大満足!」と喜ばれております。

 目的や日程、人員などを考慮した企画、スケジュールを提案させていただき、提案から受け入れまで町エコ・ツーリズム交流推進協議会が責任をもって対応しています。


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