【食と観光 訪日客4000万人時代の和食4】本能を満たすおいしさの提供 さりげない心配りのおもてなし 尾川欣司


 観光立国と唱えたからには、是が非でも訪日外国人観光客はもちろんのこと、日本人の国内旅行も力を入れなければならないだろう。

 日本の祝祭日は現在16日間、世界で最も多い日数である。フランスは11日間、アメリカ10日間、ドイツ8日間と、わが国がいかに観光を成長産業とみなしているかが分かる。そのためにも今以上の整備やグレードアップが必須となる。

 名所旧跡はもちろんのこと、新しい観光地、多種多様のイベント、ショッピング、便利で分かりやすく短時間での交通手段、そして最も大切なのが宿泊施設であるホテル・旅館である。

 そしてそれ以上に期待を持たれるのが、われわれの職とする、食べ物、料理ではなかろうか。買い物などはもし万が一、自分の気に入らないものであったら、買い替えることも可能だろう。しかしながら「食」だけは、せっかく楽しみにしていた食事がつまらないものであったら、とても残念で取り返しのつかないものになるからだ。

 季節感のある食材や器で、本能を満たすおいしさと、さりげない心配りのもてなしがどこまでできるかが私共の目標への努力であると思う。

 最近どうも気になるのが、必要以上にサービスマンや調理人がでしゃばって、客を客とも思わない本末転倒のシーンに時々出くわすことだ。寒気がするほど嫌な気持ちになる。本当の「おもてなし」とは何か、改めて考えなければならないだろう。

 (国際観光日本レストラン協会会長・尾川欣司)

 
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