【日光・鬼怒川特集】新たな魅力 SL「大樹」


日光・鬼怒川エリアの新たな観光の魅力となっているSL「大樹」

観光開発をすすめる東武鉄道

新型特急を導入~「ワールドスクウェア」新駅も

 ここ最近、次々と日光・鬼怒川エリアの観光振興施策を発表している東武鉄道。今年に入ってからは、4月21日に新型特急「リバティ」を導入、8月10日からはSL「大樹」の運行を開始した。ホテル事業では、昨年9月末には日光市の金谷ホテルの株式を取得し、さらに同年11月7日には「ザ・リッツ・カールトン日光」の2020年開業を明らかにした。

 特急「リバティ」は、東武鉄道として26年ぶりの新型特急だ。機能面での最大の特徴は併結・分割機能。これまでの特急「スペーシア」は6輌編成で固定だが、リバティは3輌編成を接続して走らせている。これまで浅草から東武日光、鬼怒川温泉に行くには下今市駅で乗り換える必要があったが、それがなくなった。

 日光・鬼怒川エリアまでの乗車は2時間弱。その間、快適に過ごせるようフリーWi―Fiや各座席にコンセントを導入した。タブレットやスマホを使って旅の情報を収集できるようにした。

 観光の大きな目玉として存在感を高めているのが、SL「大樹」だ。東日本大震災の影響で日光・鬼怒川エリアの入り込みが冷え込んだ。地域活性化に寄与するための鉄道会社ならではの施策として出てきたアイデアがSLの復活運転だった。

 運転区間は東武鬼怒川線の下今市―鬼怒川温泉間の12・4キロ。1日3往復、約35分かけて走る。17年度は土休日を中心に98日間運転予定で、紅葉シーズンは土日の前後である月曜日と金曜日も運転する。8、9月の利用状況は9割ぐらいの席が埋まっており好調だ。

 鬼怒川温泉にある、世界の有名建築物を再現したミニチュアパーク「東武ワールドスクウェア」。その最寄駅として7月22日に「東武ワールドスクウェア駅」を開業した。東武鉄道としては12年ぶりの新駅。今までは小佐越駅から徒歩で約10分だったが、新駅からは徒歩1分と東武ワールドスクウェアへの交通アクセスが格段に向上した。

金谷ホテルは、1973年に外国人向け宿泊施設として開業した日本最古のリゾートホテル。観光リゾートホテルとしての歴史・伝統とブランド力を持つ金谷ホテルを東武グループに組み入れ、東武グループ全体で共用することで、相乗効果が出ると期待している。

 「ザ・リッツ・カールトン」は、世界有数のホテルチェーンであるマリオット・インターナショナル(米国)の最高級ブランド。現在、ハイエンド層の訪日外国人旅行客を受け入れるホテルがないため、ザ・リッツ・カールトン日光の開業を決めたという。それが日光・鬼怒川エリアの新たな需要喚起にもつながるととらえている。

 東武鉄道は近年、観光振興に力を入れ始めたように見えるが、それは違うという。「いろいろ種をまいていたものが実を結んだのが今。日光・鬼怒川エリアの観光地を活性化することが地域の貢献になる、ひいては当社の特急を中心とした利用増になるという考えでずっとやり続けてきた」(広報部)として、今後も継続的に観光振興に取り組む考えだ。

 

日光・鬼怒川エリアの新たな観光の魅力となっているSL「大樹」

新型特急「リバティ」

東武ワールドスクウェア

東武ワールドスクウェアまで徒歩1分の新駅「東武ワールドスクウェア」

金谷ホテル

ザ・リッツカールトン日光(イメージ)


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