【旅に出よう~温泉はにっぽんの宝~67】温泉をデザインする 山崎まゆみ


 今年の仕事はじめで最も時間を割いたのは、秋から跡見学園女子大学で持つ講座「温泉と保養」のシラバスを制作することでした。大学の特別講座で90分間、話をさせていただいたことはありますが、講師として90分全15コマを受け持つのは初めてです。

 文章を書くのを生業としてきた私は、本1冊を書く心持ちで臨みました。本を書くには「誰に何を伝えたいのか」、これを明確にしなければ成立しません。大学の授業は既に文科省に提出済みの「授業科目の概要」に添うことが最も大切ですが、未来の観光を支える女性に何を伝えたいかを大切に考えました。そして15コマを15章と考え、1章ごとの内容を考えた結果、これまで約20年にわたり温泉を取材してきた集大成であるかのような構成になりました。

 実は本を書く際に、この構成を考えるのが一番楽しい。事実を基とするノンフィクションでさえも、誰に何を伝えるかは著者の自由。事実の何を切り取るかも全て著者の裁量。だから本の概要を考える、章立ての構想を練る時が一番わくわくする。全て私自身の頭の中での作業なのですから楽しくないわけがありません。

 専門講座なので3年生以上の女性に伝えます。20歳過ぎの学生さんとともに90分15コマを作っていこうと思っています。

 若い女性とともに作りあげる「温泉と保養」を想像した時、未来の「温泉地をデザインしてみたい」と強く思いました。

 常日頃、観光地や温泉地、宿を取材するなかで、観光素材は申し分ない、唯一無二のものであるのに、デザイン力がないばかりに魅力が伝わらない、そんな多くの事例に出会います。だから若い世代に響くような見せ方を探り、講座を終えた時には手ごたえをもてるようにしたいと思っています。

 もうひとつの狙いは人材育成でしょうか。温泉旅館ホテルの皆さんが話される「若い子が続かない」という事態に、女子学生さんには、魅力的ではあるが厳しい職場でもあり、活性化が必要であることを伝えてゆきたいと思います。

(温泉エッセイスト)

170218h

 
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