【特集】東京スカイツリー・東京スカイツリータウン開業5周年記念特集

  • 2017年5月20日

5年間の歩みと今後の展望 東京タワースカイツリー社長 酒見重範氏

 東京都墨田区の東京スカイツリーと東京スカイツリータウンが5月22日、開業5周年を迎える。今なお多くの来場者でにぎわい、地域の活性化に大きく貢献している。東武タワースカイツリーの酒見重範社長に5年の歩みと今後の展望を聞いた。聞き手は編集長の内井高弘。(東武タワースカイツリー本社で)

 ――開業5周年をどう受け止めていますか。

 「東京スカイツリータウンができる前は、隅田川を越えてこの周辺に観光客が来ることはあまりありませんでした。そうした場所に東京スカイツリータウンができ、人の流れが変わり、新しい観光名所として定着してきたことはうれしい限りです。電波塔としての役目を果たすのはもちろんですが、東京の観光名所となっていることは感慨深いですね」

 「周辺にマンションが建ち、地価も上昇、いくつかホテルもできました。また、開業を機に周辺を含めた下町全体がテレビで取り上げられる機会も増えるなど、開業効果は出ていると思います。何より観光客は確実に増えていますから」

 「例えば、外国人来場者は毎年増えており、16年度では個人客ベースで総来場者数の17・7%にまでシェアを拡大しています。特にアジアでの知名度は高い」

 ――2016年度の来場者数は。

 「東京スカイツリーが約449万人、東京スカイツリータウンが約3138万人で、15年度と比べ6%ほどダウンしています。熊本地震や長雨に加え、4基あるエレベーターのうち、1基を改修工事していたのが響きました。5月の連休後から10月上旬までかかりましたので、夏の繁忙期に輸送力が25%落ちたのは痛かった」

 ――累計では。

 「東京スカイツリーが約2631万人、東京スカイツリータウンが約1億8353万人となっています。当初の予想よりも高い数字で推移しています」

 ――17年度の見通しはいかがですか。

 「それぞれ465万人、3200万人を見込んでいます。開業5周年を記念したイベントもありますし、熊本地震から1年経ち、そこからの回復も見込んでいます。何よりエレベーターの稼働が大きく寄与しそうです」

 ――5周年イベントの目玉は何でしょう。

 「人気アニメ『進撃の巨人』とコラボレーションした『進撃の巨塔 attack on SKYTREE®』です。4月10日からスタートしていますが、出足はいいですね。期間限定のオリジナルカフェメニューも提供しています」

 「また、5周年記念のメインプログラムとして、5月20日と21日には室町時代から続く能楽の名門『宝生流』の二十世宗家、宝生和英氏による、能と現代技術エンターテインメントを融合した『能×VJ LIVE』を開催すると共に、開業記念日の5月22日には先着634人に感謝の想いを込めたオリジナルのメモリアルチーフをプレゼントします」

 ――東京スカイツリーの課題の一つに修学旅行の誘致がありますが、どう取り組んでいるのでしょうか。

 「墨田区観光協会やオフィシャル・フレンドシップホテルなどと一緒になって全国各地にセールスしています。例えば、3月は大分や福岡、広島で旅行会社の教育旅行担当者らに集まっていただき、観光素材説明会を開きました。東京スカイツリー単独での誘致は限界があるため、周辺施設と一体になって隅田や浅草などの下町の魅力を幅広くアピールしています。その甲斐あって、16年度は約5千校が東京スカイツリータウンを訪れました」

 ――最近の修学旅行は体験重視の傾向ですね。

 「墨田区は東京スカイツリーという最先端の施設から、江戸東京博物館や国技館、昨年11月に開館したすみだ北斎美術館といったさまざまな観光施設に加え、ちゃんこ鍋や向島の料亭など誇るべき食文化もあります。さらに、東京の中でも江戸時代からの伝統や文化も色濃く残っており、何といってもモノづくりには定評があります。体験型修学旅行には打ってつけの環境であり、プログラム化して提案していきます。高校、中学とも取り込みたいですね」

 ――外国人旅行者については。

 「最も多いのは中国からで、以下、米国、台湾、香港、オーストラリア、韓国となっています。外国へのPRはまず台湾から始め、アジアを重点的に展開したこともあって、先ほども言ったようにアジアの知名度は高い。しかし、欧米はいまひとつで、ここでのプロモーションが課題の一つとなっています。20年の東京五輪・パラリンピックもあり、外国人旅行者は確実に増えるでしょうが、その先を見据えた展開が必要です」

 ――何が必要だと思いますか。

 「東京スカイツリータウン+αでのアピールでしょうね」

 ――αは何でしょう。

 「修学旅行の取り込みと同様、食文化と周辺の充実した施設をどう生かすかです。旅行形態そのものが『モノからコト』へと移っており、それに応え得る商品というか、楽しみ方を提供していきたい。また、日光・鬼怒川観光など、東武グループならではの取り組みも+αになります」

 ――旅行会社の力も欠かせません。メッセージをお願いします。

 「たくさんのお客さまを送客していただいていることにまず感謝を申し上げたい。東京スカイツリーは風に弱く、強風でエレベーターが止まるなどお客さまにご迷惑をかけましたが、改修工事でその心配もなくなりました」

 「また、バスを場外の駐車場に回送する運用に変更し、駐車時間を3時間に延長したことで、団体のお客さまも時間に急かされることなくゆっくり見て回れるようになりました。東京スカイツリータウンで過ごす時間が増えることは消費単価アップにもつながり、われわれにとってもメリットがあります」

 「東京五輪・パラリンピック、そしてその先を見据え、東京の観光シンボルとなるよう、東京スカイツリー・東京スカイツリータウンの魅力にさらに磨きをかけていきます」

http://www.skytreetown-5th.jp/

 

 


関連キーワード

関連する記事

展望抜群の空中庭園露天風呂 栃木県・鬼怒川温泉の老舗旅館、あさや(八木澤哲男社長)は、自家源泉「子宝の湯」を所有し、豊富な湯をたたえた多彩な風呂が人気だ。 湯はアルカリ…

続きを読む

乳白色の天然硫黄泉 古くは奥州三高湯に数えられる、福島県・高湯温泉。それを代表するのが旅館玉子湯(後藤省一社長)だ。多量に湧き出す乳白色のお湯は、一切の加水、加温、消毒を…

続きを読む

露天風呂に迫力の滝 「美味求真の宿天童ホテル」(押野茂社長)の温泉は、“天童一”の広さを誇る湯船でゆったりと寛げる。肌がツルツルになると評判で、癒しのひと時を過ごせる。…

続きを読む

新聞ご購読のお申込み

注目のコンテンツ

2016年度「部門別・旅館ホテル100選」(2017年1月14日発表)

  • 「料理」「サービス」「風呂」「施設」「雰囲気」のベスト100軒

第30回「にっぽんの温泉100選・選んだ理由別ベスト100」(2017年1月1日発表)

  • 「雰囲気」「泉質」「地域内の充実」「郷土の食文化」の各カテゴリ別ランキング・ベスト100を発表!

第30回「にっぽんの温泉100選」発表!(2016年12月17日発表)

  • 1位草津、2位別府八湯、3位指宿

2016年度「5つ星の宿」発表!(2016年12月17日発表)

  • 最新の「人気温泉旅館ホテル250選」「5つ星の宿」は?