【体験型観光が日本を変える43】元気を与える幸せの源 藤澤安良

  • 2017年9月12日

 8月29日はホテルに滞在中であった。目覚まし時計を朝の7時にセットして眠りについたつもりが、午前6時2分に携帯が鳴り、誰だこんな朝早くから連絡してくるのはと思ったり、身内の不幸も頭にかすんだりした。とても身体に悪いタイミングでの「Jアラート」(全国瞬時警報システム)の緊急情報であった。

 北朝鮮のミサイルが日本の方向に発射されたというから、早速テレビをつけてみると、地上波の全てのチャンネルが同じ画面。急に頑丈な建物や地下に入れと言われてもどうすればいいのか分からない。

 そのうち、北海道の襟裳岬の上空を通過したと言うからひと安心したが、普段その地で生活している人なら、いくらか逃げ場所も見当が付くが、旅先のホテルでそう言われても無理だと言いたい。さらには、山や畑や田んぼばかりの田舎で地下にと言われても、全く無いに等しい。逃げ場所も、避難訓練もせずにわずか数分で逃げなければならないのかと不安を募らせる結果にもなった。いよいよ核シェルターや地下壕が必要だという宣伝にも思える。その5日後には、北朝鮮が6回目の核実験をしたとの報道があり、世界に激震が走った。Jアラートも、ミサイルも、核兵器も使われないことを願うばかりである。

 そんな事が起こっている今から72年前、長崎原爆で被爆し、真っ赤に焼けただれた背中の治療のため、約1年9カ月をうつぶせのままで過ごした、日本原水爆被害者団体協議会の代表委員の谷口稜曄(たにぐち・すみてる)さんが8月30日に亡くなられた。欧州などを20回以上訪問して体験を伝えた。講話では常に米国戦略爆撃調査団が撮影した赤い背中の写真「背中を焼かれた少年」という自身の背中の写真を掲げ、核兵器の非人道性を訴えた。努力と命と歴史を無駄にしてはならない。

 一方で良いニュースも。秋篠宮家の長女眞子さまと小室圭さんのご婚約内定の会見が行われた。国民のみんながほほえましい姿にやすらぎを感じた。

 また、芸能界でも婚約、結婚のニュースが多い。美男美女でお似合いと祝福する人も、うらやましいと思う人も、なんで私が相手じゃないのと悔しがる人も、悲喜こもごもであろう。

 みんなが幸せになる手法を考えなければならない。体験交流型観光の推進のため、講演を各地で行っているが、この手法こそ誰も悲しむ人がいない極めて素晴らしいビジネスモデルである。修学旅行や野外活動、あるいはCSRや社員研修など、体験交流による教育効果と社会貢献を理解したマーケットが拡大しつつある。体験により与えられるものは多く、大きい。その受け入れに地方が取り組むことで賑わいと経済効果が生じる。体験プログラムや民家ホームステイの担い手にとっては、交流、コミュニケーションを通じて生きがい・やりがいづくりにもつながっている。初期投資が少なく、訪れる人と受け入れる人、そして地域の全ての人に元気を与える体験型観光は幸せの源である。

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