【インターネット徹底集客164】閑散期の割引の再考2 内藤英賢


 前号では閑散期における集客手法として割引の乱用のリスクについて述べた。今号では、割引以外の集客手段について考えてみたい。

 まずは、観光要素を含めて「お客さまがその地域、施設に訪問する理由」の掘り起こし作業の実施を検討したい。何度か述べてはいるが、お客さまは旅館ホテルだけを目的として旅行をしているわけではなく、周囲の観光などを含めて旅行をしている。冬季が閑散期になるのであれば、冬にしか見られない景色や食材がないかなど、もう一度お客さま目線に立って検討する必要があるであろう。

 また、最近ではSNSを通じて、お客さま側が情報発信をしているので、周辺などでお客さまが興味を抱いているコンテンツがないかを調べることも有効であろう。

 続いて、冬季用の集客商品を考える際に覚えておきたいのが、割引をするにしても「高いプランだけの割引」が検討できないかという観点である。

 そもそも1万円を下限としている施設において、1万円プランを2千円割引などで販売することのリスクは前号でお伝えした。しかし、例えば同じ施設でも1万5千円のプラン(良い客室タイプで、食事内容も良くなっているケース)が存在しており、こちらを同様に2千円割引で販売したと仮定すると1万3千円となる。全員のお客さまとはいかないまでも1万円のプランを買おうとしていたお客さまが1万3千円のプランを、お値打ちに感じて購入したとすると、変動費を加味しても売り上げも営業利益もアップさせることができる。

 限られた客数しか望めないのであれば、そのお客さまに、ただ安いプランだけを販売するのではなく、高いプランを工夫して、購入してもらえる仕組みを考えた方が、プラスに働く。さらに、良い商品(良い部屋、良い料理)が提供できることによって、顧客満足度が上がることも期待される。この辺りは以前のクチコミマーケティングの回を参照いただきたい。

 閑散期には割引しかないというあきらめの空気があるようであれば、ぜひ、今号を参考の一つに打開策を練ってほしいと思う。

 (アビリティコンサルタント・プライムコンセプト取締役 内藤英賢)

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