「出国税」導入 提言へ~観光庁検討会 今月中に中間報告

  • 2017年11月14日

 観光施策の新たな財源創出を検討している観光庁の有識者会議「次世代の観光立国実現に向けた観光財源のあり方検討会」(座長・山内弘隆一橋大学大学院商学研究科教授)の第6回会合が10月31日に開かれた。中間報告への実質的な議論が終了し、11月中に提言がまとめられる。提言文の内容は調整中だが、年間数百億円の創出を念頭に、出国税の導入を提言する方向だ。

 検討会は非公開。観光庁の説明によると、委員の検討の方向性としては、創出した財源の使途について、(1)受益と負担の関係から、負担者の納得感が得られること(2)先進性が高く、費用対効果が高い取り組みであること(3)地方創生へ貢献するものであること―などが要件に挙げられている。

 使途のイメージでは、事例として(1)地域固有の文化、自然などを活用した観光資源の整備の深度化(2)ICT、ビッグデータ、先端技術の活用などによる日本の魅力発信のレベルアップ(3)最新技術を活用したCIQ・保安体制、チェックイン手続きの強化・迅速化―などが想定されている。

 これらの施策に必要な予算額は、年間数百億円程度という規模が示された。政府全体の今年度当初予算のうち、中核的な観光施策の予算の合計額が約700億円であることから、必要な予算規模として算定された。

 財源創出の手法では、日本人の海外旅行者、外国人の訪日旅行者の出国時に負担を求める租税方式を提言する方向で調整が進むとみられる。出入国、航空旅行、宿泊のいずれかの行為に際して旅行者に課税、課金する手法が検討されてきたが、観光関係業界へのヒアリング、諸外国の事例を踏まえ、出国税が妥当との意見が委員の間で大勢を占めている。

 出国税導入の場合、負担対象者は、2016年の実績で言えば、訪日外国人が約2400万人、出国日本人が約1700万人という範囲。定額で「千円」を課税すると、400億円超の税収が得られる。検討会が旅行需要への影響などを考慮して、徴収額についてどのように提言するか注目される。

 出国税など新たな財源確保策の導入時期については、2020年の東京五輪・パラリンピックを見据えて、「可能な限り早期に」との意見が複数の委員から上がっているという。

 観光庁は、11月中にまとめられる検討会の提言を受けて、年末の税制改正への要望内容を具体化する予定だ。

関連する記事

観光庁が設置した有識者会議「次世代の観光立国実現に向けた観光財源のあり方検討会」(座長・山内弘隆一橋大学大学院商学研究科教授)は9日、観光施策の新たな財源の創出に向け、日…

続きを読む

観光庁がこのほど発表した宿泊旅行統計調査の結果、今年8月の宿泊施設の延べ宿泊者数(第2次速報値)は、前年同月比0・2%減の5472万人泊で、6カ月ぶりに前年同月の実績に対…

続きを読む

厚生労働省はこのほど、「旅館業法上の指導等の状況について」と題する調査結果を発表した。それによると、旅館業法に基づく営業許可を得ていない疑いがあるとして、16年度に自治体…

続きを読む

新聞ご購読のお申込み

注目のコンテンツ

2016年度「部門別・旅館ホテル100選」(2017年1月14日発表)

  • 「料理」「サービス」「風呂」「施設」「雰囲気」のベスト100軒

第30回「にっぽんの温泉100選・選んだ理由別ベスト100」(2017年1月1日発表)

  • 「雰囲気」「泉質」「地域内の充実」「郷土の食文化」の各カテゴリ別ランキング・ベスト100を発表!

第30回「にっぽんの温泉100選」発表!(2016年12月17日発表)

  • 1位草津、2位別府八湯、3位指宿

2016年度「5つ星の宿」発表!(2016年12月17日発表)

  • 最新の「人気温泉旅館ホテル250選」「5つ星の宿」は?